合同会社の定款作成時の注意点

合同会社の定款は、その会社の目的や商号、機関といった重要な事項が記載されるもので、よく国であれば憲法にあたる、もっとも根本的なルールを定めたものであると説明されます。定款については、書籍やネット上に雛型的なものがたくさん公開されていますので、ここではそれらを参考に作成する際の注意点に絞って触れていきます。

内部自治の自由度が高いLLCでは定款が重要

株式会社はパターン化された組織から選択して形成されることが多い法人形態ですが、合同会社は参加者がその仕組みを自由に形成する面の強い法人形態です。この合同会社の幅広い内部自治の多くは、定款自治によってもたらされます。

そのため、定款に何を定めておくか、逆に何を定めておくべきではないかという定款作成が、より重要になってきます。定款を作成すること自体は、雛型的なものを参考にすれば簡単です。しかし、定款は後々のトラブルを防止する契約書のような役割も果たしますから、ひとつひとつの項目について、設立する会社に合致するかどうか精査するべきでしょう。

電子定款

定款は、これまで同様に紙を使った定款と、電子証明書と電子公証制度を利用して作成する電子定款という、2つの形式があります。現在のところ、電子定款であれば印紙を貼る必要がありませんので、設立時のコストを4万円ほど抑えることが可能です。

しかし、電子定款は申請するためのソフトや証明書を入手する手間やコストがかかりますから、作成する場合には専門家に依頼するというのが通常です。

定款の作成と電子定款の認証、両者を込みで印紙代にあたる4万円以下で手続きを行ってくれる専門家も多いので、印紙を貼っての定款認証と金額的にはほとんど差が出ません。自分の会社だから手続きはすべて自分で、という場合でも、定款だけは(骨子は自分で考えておくとしても)外注に出してしまったほう が、低コストで設立後にも大きな安心を得られるのではないでしょうか。

合同会社(LLC)の絶対的記載事項

さて、この定款ですが、これを記載しておかないと定款全部が無効になってしまうという事項があります。絶対的記載事項といわれる、以下の事項がそれです。

商号、目的、本店の所在地については、合同会社の基本事項を決めるで言及しました。ここでは、残り3つについて簡単に説明します。

社員の氏名と住所

社員の氏名と住所については、印鑑登録証明書に記載されている通りに一字一句そのまま記載します。サイトウさんの「齋」「斉」「斎」といった漢字違いや、丁目番地の表記にハイフンを使ってしまったりといった相違がないように注意してください。

社員全員が有限責任社員であるという表示

合同会社は、その構成員であるすべての社員の責任が有限である法人形態です。取引先や債権者の保護的な見地から、定款には有限責任社員からなる法人であることを明記させられることになります。

出資の価額

上記同様、合同会社は有限責任社員からなる法人ですから、取引先や債権者保護も踏まえ、出資の額がいくらであるかの明示を求められます。

業務執行社員と代表社員

合同会社においては、社員全員が業務執行権限を持ち、また社員全員が代表権限を持つのが通常です。しかし内部自治が比較的自由な合同会社ですから、定款で定めることによって、その一部だけを業務執行社員としたり、代表社員としたりすることが可能です。

有限責任事業組合(LLP)では、全ての構成員が業務を行わなければならないことになっていますから、業務執行権限を一部の社員だけに担わせることができる点は、合同会社(LLC)の大きな特徴のひとつです。個人と法人が組んで合同会社を設立・運営していくという場合には、この代表権限や業務執行権限を持つ社員の定款での規定は、有効に活用できます。

2人で合同会社を設立するときの注意

友人や会社の元同僚など、2人で合同会社(LLC)を設立するという場合には、多少注意が必要です。同一の権限を持った社員役2人という機関設計ですと、経営方針などで意見が対立した際などに、多数決で決めることができないため身動きが取れなくなってしまう可能性があります。特に、お互いが同じスキルを持って起業したという場合には、役割分担がうまくいかない可能性がでてきます。

友人などと2人で経営すると、言い争いからの対立だけでなく、お互いに遠慮しての停滞を招いてしまうことも起こり得ます。また、兄弟姉妹で起業するという場合には、事業が始まってから感情的な争いが起こらないよう、役割の分担を文書化しておくのもいいかもしれません。よく言われることですが、複数人で起業するときは、営業担当と開発担当、開発担当と経理担当など、できるだけ違ったスキルを持った人と組み、役割分担がスムーズに進むように心がけましょう。

合同会社(LLC)の利益配分規定

合同会社(LLC)とはで触れましたが、出資の比率とは異なる比率で利益配分が行えるのも、合同会社の大きな特徴です。


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